乳酸菌は歯周病にも効く?

乳酸菌といえば整腸作用やアレルギー症状の改善などの効果で知られていますが、歯周病の改善にも効果があることがわかっています。
体内では至る所に生息する乳酸菌ですが、口内にも様々な種類の乳酸菌が住みつき、歯周病を引き起こす悪玉菌や虫歯菌を抑制する効果があります。
歯周病とは歯についた磨き残しの食べカスによってできた歯垢(プラーク)の中で、細菌が繁殖し歯茎に炎症を引き起こしたものです。
この歯周病は40代以上の日本人では80%の人が罹患していると言われ、全体で約5000万人にものぼります。
炎症が進むと歯茎が腫れて、歯がぐらついたり歯が抜けることにもなり、歯を失う理由の半分が歯周病ともいわれています。
寝起きの口内がネバネバとしていたり、口臭がある場合は歯周病の疑いがあります。

乳酸菌が歯周病に効くのはなぜ?

そのような国民病ともいえる歯周病ですが、今まではプラークコントロールが大切といわれ、しっかりと磨き歯垢を除去することが最大の予防法でした。
最近では、歯周病の対策として乳酸菌が注目されています。
では、なぜ乳酸菌が歯周病に効くのでしょうか?
  1. 乳酸菌は虫歯菌であるミュータンス菌を死滅、または抑制する
  2. 乳酸菌は歯周病菌のひとつであるジンジバリス菌を死滅させる
  3. カンジダ菌が産生するカンジダバイオフィルムを抑制する
    (カンジダバイオフィルムが歯に付着することで、その中に歯周病菌などの細菌が増殖してしまう)
このように、乳酸菌は歯周病を引き起こす歯周病菌を死滅、抑制することで歯周病を改善する効果があるのです。

歯周病に効果のある乳酸菌の種類

では、どのような乳酸菌でも歯周病に効果があるのでしょうか? 現在研究され、効果が確認されているものは次の通りです。

LS1乳酸菌「ラクトバシラス サリバリウスT12711」

口内にもともと住みついている乳酸菌のひとつで、歯周病菌に対して殺菌効果があることがわかっています。
また、虫歯菌は減少しませんが虫歯菌が産生する不溶性グルカンを顕著に抑制する効果があり、虫歯予防にも効果があります。
実験によると、LS1乳酸菌とジンジバリス菌を含む3種の歯周病菌を一緒に培養したところ、歯周病菌は24時間でほぼ死滅するという結果になりました。
また、口臭があると判断された人がLS1乳酸菌を1日に1億個分摂取したところ、8週間で2/3の人の口臭が消えたと報告されています。

L8020乳酸菌「ラクトバチルス・ラムノーザスKO3株」

広島大学歯学部の二川浩樹教授によって虫歯や歯周病を罹患したことがない子どもの口内から発見された乳酸菌です。
虫歯菌や歯周病菌を殺菌する効果があり、虫歯菌は2週間で8割以上が減少、歯周病菌も2週間で4〜9割が減少するという実験結果も報告されています。
また、歯周病の多くは、歯周病菌の持つLPSと呼ばれる毒素によって引き起こされるといわれていますが、そのLPSを中和し歯周病になりにくい口内環境を作る効果もあります。
さらに、カンジダ菌を抑制する効果もあり、歯周病予防としては有能な乳酸菌であるといえます。

ロイテリ菌「ラクトバチルス・ロイテリ菌」

ロイテリ菌は人の母乳の中から発見された乳酸菌です。
虫歯菌や歯周病菌を抑制する効果の他にも、大腸菌O-157やピロリ菌の抑制にも効果が認められています。
実験によると、培養した虫歯菌に、20種類の乳酸菌がそれぞれ入ったヨーグルトを付着させた結果、ロイテリ菌が入ったヨーグルトのみに虫歯菌の増殖を抑制する効果が確認されました。
また、ロイテリ菌が入ったヨーグルトを食べたグループで、唾液中の虫歯菌が1/3〜1/5程度減少し、さらに食べるのをやめて2週間たっても、虫歯菌は1/2〜1/4に減少したままであることがわかりました。

WB21「ラクトバチルス・サリバリウス菌WB21」

健康な人の口内で発見された乳酸菌になります。
虫歯菌や歯周病菌のみならず、ピロリ菌やカンジダ菌の増殖も抑制することがわかっています。
歯周病の予防効果を期待する場合は、上記の乳酸菌が含まれた食品やサプリメントを摂取することが望ましいでしょう。

ヨーグルト歯磨き

乳酸菌が入った歯磨き粉やマウスウォッシュ、タブレットなども売られていますが、ヨーグルトで歯磨きをするという方法も知られています。
  1. まずは普通に歯を磨く
  2. ヨーグルトを歯ブラシにつけて歯を磨く
  3. 歯茎の隙間もしっかりとブラッシングする
  4. ヨーグルトを吐き出し終了
注意点としては、糖分の入ったヨーグルトではなく無糖のヨーグルトを使うこと。
また、寝る前にするのが効果的だといわれています。

乳酸菌の働きは、腸内環境を整えるだけでなく、口腔内の環境も整えることがわかりました。
効果を上げるためには、直接口の中に乳酸菌を入れることが大切です。
また、細菌は就寝時に繁殖しやすいので、寝る前の歯磨き後に口内に乳酸菌を入れることで効率よく悪玉菌の繁殖を抑制する効果が期待できます。
効果がある場合は、歯茎の腫れや口臭などが改善されるので様子を見ながら自分に合った乳酸菌を見つけてみましょう。